喪失感

喪失感

 先日、本校の卒業生から「院長先生がお亡くなりになって閉院する鍼灸院があるのですが、使っていた治療道具で引き取って貰えるものはありますか?」とのお話がありました。せっかくのお話なので、治療院に伺いました。

 治療院に到着して目に入ったのは治療院の看板。“鍼灸専門”の文字が。院長先生のこだわりとプライドが滲み出ているのを感じます。
入口のシャッターを開けてもらい中に入ると、いまだ片付けが終わらず物が散らかっている治療院内。しかし、そこには鍼灸一本でやってきた職人としての鍼灸師である院長先生の痕跡が感じられます。直接、院長先生にお目にかかったこともなければ治療を受けたり見学させていただいたこともないのですが、肌で感じるというか直感的な感覚というのでしょうか。
こだわりの道具、使い込まれた器具類。治療院内は決して広くは無いですが、古き良き鍼灸院という雰囲気。けれど、確かにここで職人というか名人というべき鍼灸師が患者さんの治療にあたっていたという雰囲気をひしひしと感じます。

 このような、治療院が閉院してしまうのは非常に悲しい思いです。なかなか技術を継承していくことは難しいことです。いくつか、治療器具をいただくことができました。画像の赤外線治療器もいただきました。これからの寒い季節に活躍しそうです!

 器具類をいただきに伺ったのですが、今は亡き院長先生のオーラを感じ、気持ちが引き締まった1日となりました。