今年も残すところあと2週間ちょいとなりました。画像は、成田山新勝寺での煤払いの様子です。成田山の煤払いは、毎年、正月事始めに行われます。
12月13日は、『正月事始め』です。お正月に歳神様をお迎えする準備を始める日と言われています。12月8日には、“事始め”といい、お正月という言葉のない事始めがあります。事始めの行事といえば、針供養が有名です。やり方が色々とあるようですが、こんにゃくや豆腐に折れた針や使わなくなった針を刺して地中に埋めるなどがあるようです。また、寺社仏閣で針供養の行事が催されている場合もあります。
しかしながら、全国で針供養の行事はどんどんと減少していっているようです。減少する要因としては、裁縫をする人が少なくなったことが大きいそうです。確かに、家で裁縫する機会はめっきり減っているかもしれません。
対して、鍼灸治療に使用される鍼はどうでしょう?
鍼治療に使用する鍼は、昔は滅菌処理を行い何度も使用していました。現在では、使い捨て鍼で単回使用。非常に衛生的で、折れたりすることもなく安全です。
学校の授業でも臨床センターでも、使い捨ての鍼を使用しています。なので、鍼の廃棄量は以前と比較すると増加しています。昔の鍼を滅菌して使っていた頃は、曲がった鍼を伸ばしたり、鍼先を研いだり、滅菌する器具で消毒したりと手間もかかっていました。しかし、手間がかかる分、道具としての「鍼」に、愛着がもてた時代だったのかも知れません。
事始めや正月事始めの日に、普段使用している鍼や道具に「今年もありがとう」の気持ちを持って、お手入れしてあげるのは大切なことかも知れません。